こんにちは ROYです。
この記事がこのブログ史上最高アクセス数でした。ありがとうございます。
ではそんな自分の仕事について、実際の業務の紹介します(今更
私は言語聴覚士(Speech Therapist:略してST)というリハビリの専門職として病院で働いていました。
言語聴覚士とは・・・
【コミュニュケーションや食べる障害に対応】
〜言語障害(失語症、構音障害、高次脳機能障害)や聴覚障害、ことばの発達の遅れ、声や発音の障害など、ことばによるコミュニケーションの問題は多岐にわたります。
言語聴覚士はこうした問題の本質や発現メカニズムを明らかにし、対処法を見出すために検査・評価を実施し、必要に応じて訓練、指導、助言、その他の援助を行う専門職です。さらに医師や歯科医師の指示のもと、嚥下訓練や人工内耳の調整なども行います。〜
なんだかわかりにくいですね。
自分は成人分野(一般的な病院)で働いてきたのですが、その中では大きく4つの分野に分かれています。
1:失語症•••上手く話せない 話が理解できない 文字が読めない
→日本人なのに日本語がわからない状態 でも内言語(思考)はきちんとできる
2:構音障害•••顔や舌の麻痺により口が上手く動かせず言葉がはっきりしない(不明瞭で聞き取りにくい)
→理解は問題ないため失語症とは区別される
3:高次脳機能障害•••記憶、注意、集中力などが障害される 人間が人間らしくあるための機能
→我慢ができない、常に注意散漫、記憶が1分持たないなんてことも
4:嚥下障害•••飲み込みができなくなってしまう
→こうなると誤嚥性肺炎(肺に食べ物が入り肺炎になる)が起こり最悪死に至る
これが全てでは無いですが、主にこのような患者さんに対しリハビリを行なっています。
上記のような障害が起こる原因としては
1:脳血管疾患•••脳梗塞や脳出血、脳腫瘍、くも膜下出血などにより脳がダメージを受ける
→失語症、構音障害、高次脳機能障害、嚥下障害のどれにもなる可能性がある
2:変性疾患•••ALSやパーキンソン病により顔の筋肉が動かず構音障害や嚥下障害が起こる
→構音障害、嚥下障害になる可能性がある
3:加齢•••足腰が弱くなるのと同様、顔や喉も筋肉でできているため加齢により喋りが聞き取りづらくなったり、嚥下障害を併発する。
→認知症、構音障害、嚥下障害になる可能性がある
4:廃用症候群•••例えば足や背骨の骨折で寝たきりの治療を要する場合、全身の筋力が低下し骨折前に
比べ全身の身体機能が落ちてしまった状態。
→構音障害、嚥下障害になる可能性がある
などがあります。
対象患者は主に高齢の方です。
最近は80歳を超える方が多く、100歳も珍しくない。60代だと「若いですね」と言った印象。
抱える障害は様々あり、またその程度の差も大きく、1人1人に合ったリハビリを提供しなければなりません。また、ただ障害に対しアプローチするだけでなく、その方の生活環境や生い立ち、癖、周囲との関わりを知り退院までの道筋や退院後の生活も考える必要があります。
ご家族さんとも親密にコミュニケーションを取り病前生活へ近づけることが目標とされます。
元々押し車でやっと歩いていた方を、走るれるようにすることを最終目標とはしないですよね。
この「病前生活に近づける」というのが、色々と大変なんですよね。
まだまだ世間的には「リハビリすれば元気になるんでしょ?」と思われている方が多くおりまして
誤嚥性肺炎で入院された方の家族が「家では何でも食べれていたんです」と常食を希望されることなんか日常茶飯事。
歯が無い(入れ歯も無い)のに「お肉が好きで良く食べていたんです」と。
そりゃ、肺炎になるよ•••。
皆さん、歳を取ったら足腰が弱くなるのは普通だと思っていても、飲み込みが弱くなるなんてことは想像していないんですよね。そこから説明することは一苦労です。
長くなってきましたので、ざっくりとしたSTの紹介はおしまい。
次の記事で1日の流れを紹介したいと思います。